2020年10月13日火曜日

アルバムレビュー


 

アメリカのギター雑誌、Acoustic Guitar Magazineがアルバム「Window to the World」について素晴らしいレビューを書いてくれましたので日本語に訳しました。自分が昔からずっと購読してきた本というのもあり嬉しいです。


Album Review: Hiroya Tsukamoto "Window to the World"

「マーティンを用いての素晴らしいフィンガーピッキングとループペダルの融合」

塚本浩哉は類まれな才能で、日本生まれののフィンガーピッカー、作曲家、そして2018年国際フィンガースタイルギターチャンピオンシップでも2位を獲得したバークリー音楽大学の卒業生だ。京都を離れてから18年後の現在、ニューヨークを拠点に活動している彼は、ほぼ毎週末、マーティンOM-42とループペダルのセットだけでアメリカ各地でソロで演奏している。

「Window to the World」は、2019年にメイン州ブランズウィックでレコーディングされたもので、レコーディングスタジオでのライブという形で、数多くの彼のパフォーマンスの1つを捉えたものと言えるだろう。マーティンはサクサクと聞こえ、スペースの響きは暖かく親密で、フィンガーピッキングは繊細で美しい。沖縄の「安里屋ゆんた」とスコットランドの「Water is Wide」の2つのフォークソングは、スタッカートと叙情的な部分を織り交ぜ、正確で情熱的だ。ソロとループの重なりのコントラストも素晴らしく、彼の声の心地よい息吹とギター演奏のバランスも申し分ない。残りの曲は、豊かなアルペジオと即興演奏で満たされた旅行記のようだ。峡谷、海岸線、山々の印象派の風景であり、彼が訪れた場所と出会った人々の穏やかな思い出を思い起こさせる。

アルバムで最も長い曲である11分間の広大な「Storytelling」では、塚本はテネシー州の丘で仏教の僧侶との予期せぬ出会いを共有し、日本語と英語の両方で物語を語り、歌う。 「私は東から西へと旅をし続けてきた」まるで詩人芭蕉が静かにうなずくように、旅と発見の中で塚本は歌う。 「私は自分自身を見つけるために、自分の道を見つけるために旅をしてきた。」

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